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歯切り盤のメンテナンス方法について

このページでは、歯切り盤で起こりやすいトラブルとその原因、それぞれのトラブルの対策方法について解説します。

【基礎知識】歯切り盤とは

歯切り盤とは、素材に歯車の溝を刻むための機械です。歯車やプーリーといった円筒形の部品を製造するにあたってなくてはならない機械の一つであり、自動車や航空機の部品製造や機械加工において幅広く使われています。
歯切り盤には、加工方法の違いに応じていくつかの種類に分けることが出来ます。そのうち、代表的なものを紹介しましょう。

ホブ盤

ホブと呼ばれる円形の切削工具を回転させて加工を行う機械です。ボブカッターと呼ばれることもあります。

ギアシェーパ

ピニオンカッタおよびラックカッタの上下運動で素材を形削り加工する機械です。ホブ盤では加工が出来ない特殊な形状の歯車を作ることが出来ます。

歯車研削盤

砥石を高速回転させて素材を加工する機械です。高硬度の被削材から高精度な歯車を形成する際に使用します。

傘歯車歯切り盤

傘歯車の製造に特化した機会です。円盤状の切削工具を回転させて素材を加工します。

歯車シェービング盤

歯車の表面を滑らかにしたり、かみ合わせを修正したり…といった、歯車加工の仕上げで使われる機械です。

歯切り盤で起こりやすいトラブル

歯切り盤で起こりやすいトラブルとしては、

などがあります。

表面粗さの低下

歯車の表面粗さが低下すると、歯車と嚙合わせる部品が摩耗しやすくなったり、塗料が均一に塗れなくなったりします。
その結果、機械・装置の故障や動作不良が起こることがあります。

歯車の形状不良

歯車の形状不良が発生すると、歯が折れやすくなったり、摩耗しやすくなったりします。
表面粗さの低下と同様、歯車の形状不良は機械・装置の故障や動作不良の原因となるため、注意が必要です。

歯車の異音

歯車の異音は歯車と部品との接触不良のサインであり、原因としては歯車の打痕や傷、表面粗さの低下、ケースの剛性の低さ…などが挙げられます。
歯車の異音を放置すると、機械の故障および事故につながる可能性があり、早急な対策が必要です。

トラブルへの対策

表面粗さの低下、歯車の形状不良、歯車の異音・騒音のそれぞれのトラブル別に、対策方法を紹介します。

歯車の表面粗さの低下の対策

ホブの工具材質やコーティングを変える

ボブの切れ味が悪くなると、歯車の表面粗さが低下しやすくなります。
切れ味が悪くなりにくい工具材質や、素材の高度に合ったコーティングを選ぶようにしましょう。

切削油がきちんと供給されてるか確認する

切粉による傷や加工面の温度も歯車の表面粗さの低下の原因の一つです。
切粉を適切に排出するために、切削油がきちんと供給されているか確認しましょう。

工具を適切に交換する

摩耗した工具を交換せずに使い続けると、歯車の表面粗さが低下しやすくなります。
工具の摩耗具合を定期的にチェックし、摩耗が進んでいる場合には忘れずに交換するようにしましょう。

歯車の形状不良の対策

切削速度を見直す

切削速度が不適切だと、ボブが摩耗しやすくなったり、チッピングが起きやすくなったりし、歯車の形状不良を引き起こします。
素材の大きさや硬度に合わせて切削速度を調節するようにしましょう。

耐摩耗性に優れたコーティングを選ぶ

耐摩耗性の高いコーティングを選ぶことで、ボブの摩耗やチッピングが起こりにくくなり、歯車の形状不良も発生しづらくなります。

クライムカットを試す

切粉を巻き込みながら材料を加工するクライムカットで加工すると、素材の切削抵抗が少なくなります。
歯車の形状不良率が高い場合、クライムカットを試してみるといいかもしれません。

歯車の異音の対策

歯すじを調整する

歯車から異音がする場合には、歯車と部品が正しくかみ合うように、クラウニングやレリービングで歯すじを調整してみてください。

歯切り盤のメンテナンス方法

歯切り盤を安全に長く使い続けるためにも、

の手順に従って、定期的にメンテンナンスをしましょう。
また、必要に応じて専門家による点検・修理を依頼するのも大切です。

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