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放電加工機のメンテナンス方法について

放電加工機のメンテナンス方法について解説しながら、放電加工機で起こりやすい故障やトラブルの対処法を紹介しています。

【基礎知識】放電加工機とは

放電加工機の特徴

放電加工機とは、液体の中で金属の間に電気で火花を起こし、生じた熱で金属を溶かして加工する工作機械です。液体の中で火花を起こすと金属は溶けはじめますが、同時に冷やされて飛散します。すると、金属が飛散しなかった箇所のみが穴のようにくぼんだ状態で残ります。このように、金属を溶かして冷やし飛散させることの繰り返しによって金属を加工するのが放電加工機の原理です。

放電加工のメリット

放電加工機は、ボール盤や旋盤、フライス盤などの切削加工とは異なり、電気エネルギーによって金属を掘り進めます。そのため、型彫りや切り抜き、微細な穴空け加工を行いたい際に有効です。

放電加工機を用いると、電気を通す材質であれば難削材であっても加工ができます。高精度な微細加工にも向いており、加工機によってはマイクロメートル単位での加工も可能です。

さらに、切削加工とは異なり非接触で加工するため、工作物への外力がかかりません。プレス機械など機械式のせん断加工の場合、どうしてもダレやバリが起こるため、せん断後に面取りが必要ですが、放電加工機を使えばダレもバリも発生しにくいので面取りの工程を軽減できます。

放電加工機の種類

放電加工機は、大きく「型堀り放電加工機」「ワイヤー放電加工機」「細穴放電加工機」の3種類に分かれます。

型堀り放電加工機は電極と工作物の間に電気を放電、ワイヤー放電加工機は名前の通り、ワイヤ電極線と工作物の間に放電する仕組みで、高精度な金属加工が可能です。

一方、細穴放電加工機はパイプ電極で放電加工を行うもので、金属に小さな穴を開けたり加工したりする際に用います。

放電加工機の故障原因・対策

放電加工機は、経年劣化やメンテナンス不足が原因で故障が起こる場合があります。特に多く見られるのがワイヤー放電加工機の故障で、以下のような断線不良から起こりやすくなります。

急な故障を防ぐためにも、日ごろの点検や定期的なメンテナンスの実施が必要です。

給電子付近の断線

給電子が摩耗している、または給電子ノズルの水が給電子に当たっていないと、給電子付近での断線が起こりやすくなります。定期的な給電子の確認や給電子ノズル清掃、水圧チェックを行いましょう。

ワイヤーガイド付近の断線

ワイヤーガイドが汚れている、位置精度がズレていると断線しやすくなります。ワイヤーガイドはこまめに清掃し、位置精度を都度確認することが大切です。

加工開始直後の断線

加工液に空気が混入している、または加工物が固定されていないと、加工開始直後に断線することがあります。加工条件と加工水圧を確認し、加工物がきちんと固定されているかをチェックして断線を防ぎましょう。

加工中、加工後の断線

加工中や加工後に断線する理由はさまざまです。代表的な原因として、加工液圧が低い、下部ローラーの回転不良、加工物に異物やピンホールがある、ワイヤー不良・走行不良などが挙げられます。

上下ノズルに隙間や欠けがないか、ワイヤーやローラーが摩耗していないか、傷や汚れがないかをこまめにチェックすることで断線を防げます。

放電加工機のメンテナンス方法

放電加工機には、放電する液体に水を使うものと油を使うものがあり、メンテナンス方法が異なります。それぞれのメンテナンス方法は以下のとおりです。

水仕様の放電加工機

水仕様の放電加工機は、水の伝導性に対する抵抗値を上げるため、水道水などの一般的な水ではなく、イオン交換樹脂のフィルターを通した水を使用します。水は常に循環していて蒸発するため、定期的な追加が必要です。

また、イオン交換樹脂フィルターはある程度使用すると機能が低下するため定期的に交換します。交換の際には、加工槽の清掃とメンテナンスも同時に行います。

油仕様の放電加工機

油仕様の放電加工機は、油を使用するため蒸発が起こりません。水使用の放電加工機のようにこまめな継ぎ足しは不要ですが、長く使っていると加工液の性能が低下します。

加工面が粗くなったり精度が低くなってきたら、加工液の総入れ替えを行いましょう。交換のタイミングは求める加工精度や品質によって異なりますが、定期的にチェックすることでワイヤー断線を防ぎつつ高精度加工を維持しやすくなります。

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