マシニングセンタの基本軸はX・Y・Z軸の3つですが、付加軸といって軸を増やすことも可能です。多軸でどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
マシニングセンタには、基本軸として以下の3つの軸が備えられています。
最も基本的なマシニングセンタに備えられる軸がこの3つです。また、Z軸が垂直なら「立形マシニングセンタ」、Z軸が水平なら「横型マシニングセンタ」と呼ばれます。
この3つに加えてさらに取り付けられるのが「付加軸」と呼ばれる回転軸で、3軸のマシニングセンタと比べてさらに自由度の高い加工が可能になります。
付加軸として知られるのは「A軸」「B軸」「C軸」の3つ。A軸はX軸を、B軸はY軸を、C軸はZ軸をそれぞれ中心にして回転する動きとなっています。軸が多いほどより複雑な加工が可能になる他、加工時間の削減を実現できるという点も特徴です。
例えば5つの軸を同時に動かすことのできる「5軸同時加工」は、テーブル型・主軸型・混合型の3つに分類されます。回転軸を持つ部分の構造や位置づけが異なっており、上下・前後・左右の移動や回転だけではなく、主軸が旋回・回転する動きも可能。
多軸のマシニングセンタを使用すれば前後方向や左右方向からの加工ができる他、上面からの加工もできるようになるため、1度の加工だけで作業が終わることもあります。
4軸や5軸のマシニングセンタでは、各方向からの加工ができるため自由度が格段に上がります。複雑な3次元形状の加工もスムーズに行えるようになり、滑らかな曲面や回転・傾斜の動きが必要な加工も可能になります。
3軸加工では加工したい面が変われば加工物・刃物・治具などの取付変更が必要ですが、5軸加工では回転・傾斜の動きが加わるため、連続して加工を続けることができます。
上記のように加工物や治具などの取り付け変更によって、加工位置とのズレによる精度・品質のバラつきが生じるケースがあります。取り付け変更が不要なマシニングセンタなら、こうしたズレを防いで精度・品質の安定と向上に繋がるでしょう。
3軸加工では特殊なツールを使わないと加工できない部分などもありますが、4軸・5軸加工なら一般的なツールでも回転・傾斜を利用して加工が可能になります。ツールの節約や安定性向上に繋がるでしょう。
物体が回転した際に進む距離のことを「周速」と呼び、先端部分と上部外周部分では周速が異なります。これを「周速ゼロ点」と呼び、周速ゼロ点では刃物で金属を摩耗してしまいます。傾斜を付けて加工すればこの周速ゼロ点の発生を防げるでしょう。
多軸のマシニングセンタは、4軸・5軸専用のNCオプションなどが増えるためコストが高くなりがちです。また、加工プログラムや制御が複雑になる点にも注意が必要。複雑な形状の加工や、連続加工を実行する場合には、プログラムや制御も難しく複雑なものになります。
多軸のマシニングセンタを使用する場合にはCAM(Computer Aided Manufacturing)を使ってプログラムを作成する必要があるため、CAMソフトをセットで導入することになります。パソコンを使って3DモデルからNCプログラムを作成するCAMソフトも、最近では扱いやすくなっています。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。