工作機械に修理やメンテナンス、またはオーバーホールが必要なのは分かっていても、どのぐらいの頻度で行うべきなのかは把握していない方もいるでしょう。ここでは、修理・メンテナンス・オーバーホールの必要性について改めて解説しながら、頻度についてもまとめています。
ものづくりにおいて、工作機械の精度が品質を左右する重要な要素となります。
工作機械が高品質なものづくりに必要な精度を出すには、工作機械を構成する部品が正常でなければいけません。部品は使用していれば必ず摩耗したり劣化したりし、それにより工作機械の精度も落ちます。だからこそメンテナンスをして、工作機械の精度が落ちないように食い止める必要があるのです。
メンテナンスには、そのほかにも故障を予防するという役割もあります。工作機械が故障すると二度と使えなくなることもあり、製品を製造できなくなってしまうことも。そうならないようにメンテナンスで故障しそうな場所を把握し、対処する必要があります。
工作機械のメンテナンスは、人間にとっての健康診断や人間ドックのようなものです。面倒だからと受診しなかった場合、病気の発見が遅れて最悪の事態を招いてしまうことも。工作機械のメンテナンスも同様で、メンテナンスを怠ると機械の異常や不具合に気づかず、故障につながるリスクが高まります。
工作機械が故障すると修理が終わるまで仕事ができず、利益も生み出しません。また、精度が落ちている工作機械を使用していることで不良品が発生し、顧客の信用を失うリスクもあります。
そのほかにも工作機械が万全な状態でないと作業を頻繁に中断してチェックしなければならなくなり、生産性が一気に低下。さらに頻繁にチェックしなければいけなくなることで作業者のストレスがたまり、モチベーションを下げる原因にもなります。
メンテナンスは確かに時間や手間がかかる面倒な作業ですが、メンテナンスを怠るとさらに面倒な事態を引き起こしてしまいます。作業の効率や生産性を低下させたくないのであれば、工作機械のメンテナンスは定期的に行うようにしましょう。
定期的な健康診断や人間ドックの受診が健康維持につながるように、定期的なメンテナンスが工作機械の精度やものづくりの品質を維持する重要なポイントになります。
工作機械のメンテナンスの必要性が理解できたら、次に気になるのが頻度です。
工作機械のメンテナンスの頻度は、機械によって異なります。工作機械メーカーではメンテナンスの仕方を指定しているため、メーカーが指示する頻度で対応するようにしましょう。メーカーによっては、金属加工会社の作業者などにメンテナンスの仕方を指導する講習を開催しているところもあります。
メンテナンスの頻度を把握したら、次はメンテナンスを行う担当者とルールを決めていきましょう。メンテナンスのルールを決める理由は、メンテナンスでは不具合が見つからないことも多いため、ルールを設けておかないと「今回はメンテナンスをしなくても問題ないだろう」といった油断につながりかねないからです。
メンテナンスを確実に実施できるようにするためにも、どの工作機械に・いつ・どんなメンテナンスを行うのかといったルールを定めましょう。担当者とルールを決めて管理体制を整えることで、不十分なメンテナンスによる問題の発生を防ぎやすくなります。
工作機械で多いのが、切粉の掃除不足によるボールねじやベアリングの故障です。テレスコカバーやスライドカバーなどに切粉が溜まると、カバーの隙間から切粉が侵入し、内部の軸部品を傷つけてしまいます。特にカバー下に溜まりやすいのが、タレット旋盤や複合加工機、横形マシニングセンタです。
切粉の侵入による不具合を防ぐためにも、切粉の清掃は必ず行うようにしましょう。切粉の清掃のタイミングがオペレーター任せにならないように、切粉の清掃の頻度についてもメンテナンスのルールとして決めておくことをおすすめします。
工作機械のメンテナンスを定期的に行っていれば、オーバーホールは必要ないと考えている人もいるかもしれません。ただ、どれだけこまめにメンテナンスを行っていたとしても、使用している期間が長くなると劣化してしまいます。劣化の症状が出始めるのは、約4~5年が経過したときです。オーバーホールを行うのであれば、このタイミングに合わせて実施すると良いでしょう。
ただし、十数年使い続けている古い機械や何度もオーバーホールを行なっていたりする機械の場合は、3年に1度などもう少し早いペースでオーバーホールを行うことをおすすめします。その理由は古い機械や繰り返しオーバーホールを行っている機械は劣化のスピードが早くなっているので、予想よりも早く劣化の症状が出始めることがあるからです。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。