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工作機械のコンプレッサー・エア供給回路のメンテナンス

マシニングセンタを始めとする工作機械は、コンプレッサーによって圧縮された空気(エアー)の供給があって初めて正しく動作します。

工作機械のトラブルや故障を防止するうえで、エアー供給回路およびコンプレッサーの定期的な点検・メンテナンスは非常に重要です。

工作機械にとってのエアーの役割

マシニングセンタを始めとして、多くの工作機械はコンプレッサーによって圧縮された空気(エアー)の供給がなければ正しく動作しません。例えば、

といった機能にエアーが必要です。

エアーが正しく供給できなかったり、あるいは汚れていたりすると、これらの機能がすべて使用できなくなり、最悪の場合には機械そのものの故障につながることもあります。

エアー供給回路の点検・メンテナンス

エアー供給回路

エアーは、

されたのち、エアータンクで貯蔵され、その後、清浄度を高めるために、

といった過程を経て、圧力スイッチを介して工作機械に供給されます。

エアー供給回路の点検・メンテナンス

粉塵や油、水分を含んだ清浄度の低いエアーは機械の故障の原因になります。そのため、定期的にエアー供給回路を点検およびメンテナンスする必要があります。

特に、エアーフィルターのエレメントは定期的に点検・交換するようにしましょう。汚れたエアーフィルターのエレメントをそのまま使い続けると、粉塵や油分、粉塵がフィルターを通過し、エアー制御機器や読み取り装置の故障や機械本体の錆の原因となります。

エアーフィルターエレメントの点検・メンテナンスの手順

1. エアーの圧力を確認

圧力計の電源を入れ、エアーの圧力を確認します。バルブを調整しても圧力が基準値に届かない場合、供給回路の点検が必要です。

2. フィルターエレメントの圧力を確認

機械の電源を入れ、目詰まりチェッカーのインジケーターを確認します。インジケーターが交換時期を示している場合、エレメントの交換が必要です。

また、油分によってエレメントが汚れている場合には、インジケーターの表示に関わらずエレメントを交換して下さい。

コンプレッサーのメンテナンス方法

空気を圧縮するコンプレッサーも定期的なメンテナンスが必要です。特に定期的な水抜き(ドレン抜き)とオイル点検・交換はコンプレッサーのトラブルや故障を予防する上でとても重要です。

ドレン抜き(水抜き)

コンプレッサーが空気を圧縮する際、空気の中に含まれていた水分が結露しコンプレッサー内部のタンクに蓄えられます。このタンクの貯められた水がドレンと呼び、ドレン抜きとはこのドレンを抜く作業のことを指します。

ドレンについて、「ただの水だし、放っておいてもいいのでは?」と考える人も少なくありませんが、ドレンがタンクに溜まったままだと、

といったトラブルの原因になります。

ドレン抜きの頻度

トラブルのリスクを最小限に抑えるためにも、ドレン抜きは定期的に行う必要があります。では、ドレン抜きはどれくらいの頻度で行えばいいのでしょうか?

空気に含まれる水分の量はその日の天気や湿度、気温などに左右されます。したがって、ドレンの発生量は一定ではなく、ドレン抜きも湿度や気温、季節に応じて頻度を変えて行う必要があります。

基本的には、梅雨時や夏季は1日あたり2~3回を、それ以外の季節であれば1日1回を目安にすると良いでしょう。ただし、地域や業種によっては、年間を通じて湿度が高い環境で作業を行うこともあります。そうした場合には、季節を問わず1日あたり2~3回のドレン抜きが必要です。

オイル点検・交換

コンプレッサーには給油式と無給油式がありますが、給油式のコンプレッサーの場合、定期的なオイル交換が必要です(ただし、無給油式のコンプレッサーであっても作動油としてのオイルは必要です)。

オイル交換を怠ると、コンプレッサーの動作が安定しなくなり、最悪の場合には故障の原因にもなります。

オイル交換の手順・頻度

コンプレッサーのオイルは以下の手順で交換します。

コンプレッサーのオイル交換は、1年に1~2回程度の頻度で行いましょう。ただし、コンプレッサーを頻繁に使っている場合、より短い頻度でのオイル交換が必要です。

その他のコンプレッサーのトラブル対策

ドレン抜き・オイル交換と併せて以下のトラブル・故障対策をやっておくとより安心です。

しっかり換気する

コンプレッサーは空気を圧縮する際に大きな熱を発しますが、コンプレッサーの内部に熱が溜まり過ぎると故障・トラブルの原因になります。そのため、コンプレッサーを使用する際には、しっかりと換気をして室温を下げる必要があります。

特に夏季は熱が溜まりやすいので注意が必要です。中には扇風機をコンプレッサーに当てる工場もあります。

雨水の侵入対策

一部の屋外設置型コンプレッサーを除き、ほとんどのコンプレッサーは雨水の侵入に強くありません。そのため、コンプレッサーを屋外ないし半屋外に設置している場合には注意が必要です。

湿気、ほこり、粉塵対策

埃や鉄粉がコンプレッサーのフィルターで目詰まりを起こすと、動作不良や故障の原因となります。

どうしても他の設置場所がないという場合を除いて、コンプレッサーは可能な限りほこりや鉄粉、湿度が少ない場所に設置するようにしましょう。

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