レーザー光の照射を使って非接触加工をおこなう機器を、レーザー加工機といいます。非接触加工なので、刃物や掘削用具を使いません。よって、摩滅した刃の交換作業や金型・型紙の用意などは不要です。作成したデジタルデータどおりに、素材をレーザー光の照射で蒸発・燃焼・溶解していきます。
デジタルデータでレーザー光の出力や照射密度、さらに照射時間などをこまやにコントロールできるので、バラエティーに富んだ精緻な加工が可能です。こういった特性から、レーザー加工は、多品種少量生産において特に力を発揮する加工方法であるといえます。
レーザー加工機で主にできることして、次のような作業があげられます。
さまざまな種類の素材を、断面が美しくなるように切断することが可能です。シンプルな形状はもちろん、複雑な形状であってもスピーディーにレーザー切断できる加工機もあります。
素材に文字やロゴなどをレーザーマーキング、つまり、刻印することが可能です。
立体感のある彫刻を素材に施すことが可能です。レーザー加工機のなかには、木・ガラス・布・プラスチックなどの素材であってもきれいに仕上げられる高機能なものもあります。
レーザー写真彫刻(グラフィック イメージング)を施すことが可能です。素材がもつ性質に合わせて、高い精度で写真を彫刻できます。写真プリントや紙などに印刷したものはだんだんと劣化していきますが、レーザー加工機によるグラフィックイメージングの場合、そういった変化は生じません。
レーザー加工機を使用しているときに、特に注意すべきトラブルは、ガス周りで発生するものが多いです。頻発する3つのトラブルについてみていきましょう。
想定していた量よりもガスの消費量が上回ってしまうなど、生産計画とのズレが生じ、その結果としてガスがなくなってしまうミスが多いです。ガスがなくなった場合には、業者にガスを発注するか、あるいはもっと多くのガス供給設備を設置するなどの方法で対応します。
ガス供給設備の増設をおこなう際に気をつけたいのは、ローリーで供給しようとすると大掛かりな工事が必要になってしまうことです。シリンダーボンベやガスボンベのように、容易には増設できないことを留意しておきましょう。
圧力調整器が経年劣化すると、不具合が生じやすくなります。特に、海岸沿いの場所では、経年劣化が進むスピードが速くなりがちです。
また、キャパを超える圧力を加えると、安全弁の破裂などを引き起こしやすくなるので、注意が必要です。高負荷な圧力が必要なときには、強引に圧力を上げようとするのではなく、圧力調整器・ボンベガス・タンク・エアなどを高圧力のものに変更した上で、ブースターを設置するようにしましょう。
配管の老朽化などを原因とする配管ガス漏れにも注意が必要です。配管ガス漏れを回避するには、亀裂や欠落がないかどうかを、施工時の自主検査でしっかりと調べておくことが大切です。
ノズルの消耗も、レーザー加工機に起こりがちなトラブルです。ノズルは消耗品なので、加工の精度が低下してきたら、すぐにノズルを交換する必要があります。使い方次第では、半日で交換が必要な状態になることもあります。
加工精度に問題がある場合、それはオペレーターの技術力が足りないことが原因です。出力・圧力・ガス流量・ノズルと板の距離・ヘッドの移動速度・切断速度など、調整すべき項目がたくさんあるので、調整力が不十分だと精度に影響してしまいます。また、難易度の高い素材を加工するためのスキルが不足している可能性もあります。
夜間運転時に、ノズルヘッドと切断した材料とが干渉し、壊れてしまうトラブルもよく見られます。切断した材料が斜めに落ちると、片側が原材料より高い位置になり、ノズルと材料の隙間がズレてしまうのが原因です。レーザーの速度も早いので、ノズルヘッドが曲がってしまうわけです。
レンズは、クリーナーをたっぷりとしみ込ませた綿棒を使って、あまり力を入れないように気をつけながら表面を拭きます。いちど使用した面で、再び拭き取らないように注意してください。また、加工直後の清掃は避け、部品が冷えるまで待ってから行うようにしましょう。
汚れが付きやすいバックスイープのエア吹き出し口部分を、特にしっかりと清掃します。コーンの清掃方法も同じようにおこないます。ただ、コーンは内部の清掃も可能なので、内部も綿棒・楊枝などできれいにしておきましょう。
レーザー加工機をレトロフィットしたいという依頼は、スムーズに対応してもらえます。レトロフィットは、すべてを新品にする場合よりもかなりコストを抑えられる点、そして蓄積データを継続使用できるのでデータ再制作に時間をかけずに済む点など、メリットも多いです。もしも使用しているレーザー加工機の耐用年数が過ぎており、かつ調子が悪い場合はレトロフィットを検討してみてもよいでしょう。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。