切削油は工作機械を使う上で欠かせないものです。ここでは切削油の種類や管理法などを紹介します。
工作機械を使用するにあたって、基本的に切削油が使用されています。切削油には潤滑・冷却などさまざまな役割があるので見ていきましょう。
材料に工具をダイレクトに当ててしまうと加工時に摩擦が起きやすくなってしまいます。切削油を用いることで摩擦が減り、工具の寿命が延びる・加工面の仕上がりが綺麗になる・温度上昇が抑えられるなどのメリットがあるでしょう。
とくにNC旋盤を用いた加工の場合、工具と加工面が600度ほどの高温状態になってしまい、金属の変形をきたす恐れもあります。そのため切削油をかけることで温度の上昇を防ぎつつ作業が進められるのです。温度を低いままキープすることで、切削加工の時間も短縮した設定に変更できます。その結果、加工スピードアップにも役立つでしょう。
加工を行うと必ず切屑が発生します。切屑を放置して加工すれば、加工不良となるリスクが高まるので注意しなければなりません。切削油をかけて加工することで、切屑を上手く排出できるだけでなく、細かな切屑の飛散が防止出来ると言ったメリットがあります。
切削加工によって材料の一部が溶けてしまい、工具に溶着することも。加工の精度を低くしてしまうため、切削油をかけて溶着を防ぐのです。
切削油といっても、水溶切削油・不水溶性切削油に分けられ、その中でさらに細分化されています。たとえばNC旋盤は高速切削なため水溶性切削油を使用するケースがほとんどです。
基本的に冷却を目的として活用される切削油で、水で薄めながら使用しており、発火性が低いという点も特徴的です。そのため24時間稼働している設備・無人運転の設備でも比較的安心して活用できるでしょう。ただ水に薄めるため劣化をきたしやすいので、管理に注意しなければなりません。「クーラント」「クーラント液」と呼ばれています。
JIS規格によって、上記のように分類されています。
潤滑・溶着防止を主な理由で用いられており、高い加工精度が必要な場合に使用されています。ただ発火によって火災を起こすリスクもあるため、使用中もしっかりと管理しなければなりません。「油性切削油」と呼ぶこともあります。
JIS規格によって4つに分けられています。
切削油は時間と共に劣化が進んでいきます。水溶性切削油は水で薄めるためバクテリアが繁殖しやすく、劣化や腐敗する恐れも高いでしょう。だからこそ適切に管理をすることが大切です。
色の変化をしっかりと確認しましょう。また浮上油が浮いているなら、すぐに回収してください。
バクテリアが発生すると悪臭が漂ってきます。この状態の切削油を使用すれば、錆の原因にもなるため必ず使用を控えてください。
切削油の濃度やPHが適切出なければ、機械内部のワイパー・パッキン類が損傷する恐れもあります。機能低下を及ぼす恐れがあるので注意しましょう。
どんなに綺麗な切削油を使っていたとしても、タンク自体が汚れていれば意味がありません。そのため切削油のタンクも定期的に清掃しましょう。
切削油の中でも油性切削油は火事を招く恐れがあるため、十分に注意して取り扱わなければなりません。
工具の摩耗などによって発熱することで、発火のリスクが高まります。そのため工具破損や摩耗を検知するための機能や異常負荷検知機能などを搭載した方が良いでしょう。
加工するモノと加工点、切削油供給点の状況にとっては、切削油が加工点に達せずに発火することも。そのため切削油吐出口の位置を必ず調整し、切削油が加工点に届くようにしてください。
切削条件をあまりにも厳しくすると、切削の抵抗が高まるので切屑が高温になってしまいます。そのため、ゆとりのある切削条件を定めることが大切です。
切削油の残量が少ないと、加工点に切削油が供給出来ずに発火となる恐れも。そのため切削油の液面検知装置を取り付けると良いでしょう。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。