ここでは旋盤を中心に工作機械を安全に使用するためのポイントを解説します。事故防止のためにチェックしてみてください。
旋盤使用時は立ち位置の確認が必須です。汎用旋盤で加工の際は、切屑が飛んでくる位置に立たないようにします。また、加工中、顔を近づけてはいきません。
旋盤加工をする際は、服装にも注意し、長そで、長ズボンを着用します。ただし、服やズボンの袖口や上着の裾が、機械や工具に巻き込まれないようにするため特に注意が必要です。また、旋盤加工で軍手は絶対しないようにしましょう。
その他、工作物の取り付けや工具交換の際には、指先がケガをしないようにしましょう。重量物が落下しないよう注意も必要です。安全確認全般でいえることは、作業者本人に限らず周囲の人にケガをさせない意識が大切。さらに工作機械や工具の破損、工作物の破損まで考えた安全確認が作業前に求められます。
チャックハンドルでやりがちな失敗は挿しっぱなしにすることです。1回ずつ取り外す癖を付けておくことが求められます。挿しっぱなしで起きる可能性があるリスクは、ハンドルが外れて飛ぶ事故です。
チャックハンドを付けたままスイッチを入れるとハンドルが勢いよく飛び、体にぶつかります。単純に痛いだけではなく、頭や胸など当たりどころが悪ければ生命の危機すらあります。運転を止めたら必ずチャックハンドルを外してください。
一般的な旋盤加工で外面を削るときは、バイトをチャック方向へ送ります。その際、回転中のチャックにバイトをぶつけるリスクを意識してください。ケガにつながらなくても、バイトや旋盤の破損リスクがあります。また、自動送りにしている場合、送り止めを忘れる事故にも注意が必要です。
旋盤初心者でよくあるのが、回転中のチャックにテーブルをぶつける事故で、旋盤に大きなダメージを与えます。特に大きな部品を削る際、チャックが外側に飛び出ている場合によく起きる事故です。バイト台を左側にすると予防できます。
機械加工に慣れていないと、どうしても旋盤と加工物が接触している加工面をよく見て作業をしたいという意識になりやすいです。結果、無意識のうちに顔を近づけてしまい接触することがあります。特に大きな加工物を削っているときは注意が必要です。
チャックが回転していると、チャックのでっぱりが見えない場合があります。旋盤で大きな板材を削ろうとしているときも、回転中の加工物が見にくくなる危険性があるのです。指や顔が接触しないように注意が求められます。旋盤や加工物は高速回転していますから、指や顔が接触すれば重大な事故になるため、安全への意識は常に持っておきましょう。
切りくずが目に入った場合、ケガで終わらず失明の危険性さえあります。小さい部品でほんの少し削るなら省略するベテランもいるでしょう。ただ、原則として、切削加工では保護眼鏡の着用は必須です。初心者だと、切りくずが飛ぶ方向の予測はむずかしいため特に着用しなければなりません。
掃除の際、コンプレッサで切りくずを吹き飛ばすときも注意が必要です。強く吹き飛んだ切りくずが目に入るリスクがあります。ハンドグラインダ使用中でも切りくずは飛びます。切りくずが飛ぶリスクが少しでもあるなら保護眼鏡を着用しましょう。
旋盤加工では端面加工、外面加工だと切りくずが飛ぶ方向は予測できますが中ぐり加工はむずかしいです。中ぐり加工は切りくずが回転するチャックの中に入ります。そのため、チャックの間からさまざまな方向に切りくずが飛ぶため予測がむずかしいのです。
中ぐり加工はバイト先端や加工面をチェックする際、どうしても覗き込む姿勢になります。その際、飛んでくる切りくずで事故が起きるリスクがあるため注意が必要です。作業中に飛んでくる切りくずは目に入るリスクがあるためくれぐれも注意してください。
かみしろ不足も危険です。旋盤やフライス盤での加工は材料をチャックやバイスで固定します。ただ、材料のかみしろ不足でしっかりと固定できない場合があるのです。結果、作業中に材料が外れるケースがあります。ただ、
固定が外れても勢いよく飛んでしまうケースは少ないものの、万が一勢いよく飛んでしまいぶつかると大きな事故へと発展します。対策として材料がしっかり固定されているか確認することのほか、少なくとも固定が外れたときに飛ぶかもしれない方向を見極める、周囲の人がいないかへの意識も重要です。
旋盤加工では軍手をしないようにしましょう。厳禁なのは軍手の素材です。刃物や材料に引っかかりやすいですし、機械に手を巻き込まれるリスクがあります。旋盤加工をすると、汚れますし、材料が熱くなるかもしれません。
汚れと材料が熱を持つということと、機械に巻き込まれて指や腕に大ダメージを受けるのを天秤にかけると、よりどちらが重大な事故になるのかは明らかです。材料は少々熱くなっても我慢できる程度の慣れが求められます。汚れも当然という意識が重要です。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。