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制御盤のメンテナンス方法について

工作機械とは異なり、目には見えにくい制御盤のトラブル。いざという時に困らないためにも、普段からしっかり点検・メンテナンスするようにしましょう。

見えにくい制御盤のトラブルに注意

制御盤の寿命はおよそ20年程度。国内の多くの工場において制御盤の導入は1990年代頃に行われましたが、当時導入された制御盤は今日寿命に差し掛かっており、トラブルや故障の報告も多くなっています。

制御盤は電子機械であり、工作機械と違って機能の劣化は目に見えることはほとんどありません。しかし、繰り返し使用しているうちに内部基盤は少しずつ劣化していきます。

制御盤で故障やトラブルが起こると、生産ラインがストップするほか、最悪の場合には火災を始め重大な事故につながることもあります。トラブルや故障を防止するためにも、日頃から制御盤の点検・メンテナンスを忘れずに行うようにしましょう。

制御盤のトラブルの種類と原因

制御盤には電解コンデンサやトランジスタ、絶縁体などさまざまな電子部品が使用されています。それぞれの部品は寿命がそれぞれ異なるため別々のタイミングで故障することも多く、例えば、電解コンデンサが正常でも絶縁体だけ絶縁不良になったり、反対に絶縁体が正常でも電解コンデンサが膨張したり…といったケースは珍しくありません。

電解コンデンサのトラブルの原因として多いのが熱の影響です。電解コンデンサは熱に弱く、その寿命は室温に大きく左右されます。具体的には、「10℃2倍速の法則に従って電解コンデンサの寿命は室温が10度あがるごとに半分になると言われています。

室温を完全にコントロールするというのは難しいかもしれませんが、工場ではコンプレッサーといった熱を発する機械を多く使うからこそ、室温が高くなりすぎないように注意しましょう。

絶縁体のトラブルには、イオンマイグレーションが関係しています。イオンマイグレーションとは、空気の水分の結露などによって基盤に水滴が付着して金属がイオン化し、本来導通しないはずの回路で通電が起こる現象です。

イオンマイグレーションは大気中の水分がトリガーになって発生するため、室内の温度に加えて湿度にも気を付けるようにしましょう。

制御盤の点検・メンテナンス方法

冷却ファンの点検・メンテナンス

制御盤に使われているほぼすべての電子部品、とくに電解コンデンサは熱に弱いという特徴をもっています。そのため、制御盤それ自体から出る熱を外に逃がす冷却ファンが正しく働かなければ、制御盤はすぐに壊れてしまいます。

ファンが止まっていないか、異音が出ていないか、風はきちんと出ているか、フィルターは詰まっていないか…などについて、常日頃から確認するようにしましょう。

制御盤の内部の点検。メンテナンス

扉を開けて制御盤内部も定期的に点検・メンテナンスしましょう。確認したいポイントとしては、主に以下の3つがあります。

なお、内部を確認する際には、必ず制御盤の電源をオフにして下さい。

1.結露や油分の付着

電子部品は水分が苦手です。基盤や底部に結露や油の付着がないか、念入りに確認するようにしましょう。

2. 埃が溜まっていないか

埃も電子部品が苦手とするものの一つ。制御盤内部のどこかに埃が溜まっている場所はないか確認して下さい。

もし埃が溜まっている場所がある場合、どこかに隙間があることになります。扉のパッキンやケーブルの入線口を確認し、パッキンが劣化していたら交換し、ケーブルの入線口に隙間があれば埋めるようにしましょう。

3. 焼損や焦げはないか

電源の接続部や基盤に焼損や焦げが無いか確認しましょう。焼損や焦げは放置すると故障や火災の原因になります。

もし焼損や焦げや見つけたら、メーカーや販売店などに至急連絡して下さい。

制御盤の部品の点検・メンテナンス

制御盤に使われているインバーターやサーボ、シーケンサー(PLC)も定期的なメンテナンスが必要です。

インバーターのメンテナンス

インバーターは直流を交流に変える装置です。制御盤内を構成する部品の中ではもっとも基礎的なものの一つであり、インバーターでトラブルが生じると大きな事故に繋がるリスクもあります。

大事に至る前に、定期的なバックアップやパラメーター保存を行いましょう。

サーボのメンテナンス

サーボは特定の目標値に追従させるための装置です。サーボの寿命は10年程度とされていますが、サーボのオイルシールやコンデンサーは1年に1回以上の点検・メンテナンスが必要です。

シーケンサー(PLC)のメンテナンス

シーケンサーの寿命は10年程度されており、10年サイクルで新しいモデルに買い替えるのが理想的ですが、新しいシーケンサーを導入する際には、配線やプログラミングもやり直す必要があります。

そうなった時に困らないために普段からプログラムのバックアップや配線のチェックをしておきましょう。なお、自社での対応が難しいという場合、専門の会社の保守サービスを依頼しても良いでしょう。

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