切粉対策は切削加工をする上で重要な作業です。ここでは、切粉についての基礎的な情報のほか、切粉対策や原因などをまとめています。
切削加工は金属を旋盤やフライス盤で削ったり穴を開けたりする加工です。当然、金属を削れば切りくずが出てきます。その切りくずが切粉、あるいは切子です。切粉の形状は多種多様で、粉状のものから、らせん状のものまであります。
切粉の特徴として、切削前と色が変わり、青っぽい、虹色のように見えるものまでさまざまです。形状も多岐に渡りますが、一般的には4パターンあり、流れ系、せん断形、き裂形、むしれ形などです。また、長さもらせん状で長いものもあれば、数ミリ、数センチ程度、チップ状まであります。
切粉の中でも長いものが、加工中、ワークや工具に巻き付くことでキズが付くケースもあります。対策として、切削加工をするときには低送りからスタートし、チップの安全性と加工面の品質をチェックし、送りを上げていくことで改善します。加工中、切粉をコントロールする技術が求められます。
細かい切粉が、チャックやシャンクに噛み込むのもよくあります。工具やワーク交換時のトラブルなどリスクにつながるため注意が必要です。噛み込みによる加工不良やアラームが頻発するといったトラブルも。クーラントを使用したり、切りくずをコントロールしたり、確実に排出したりなどの対策を行いましょう。
穴加工は穴の中に切粉が溜まりやすいです。切粉の排出がスムーズでないとドリルが折れる場合があります。そのため切粉の排出や、切粉を短くするために使用工具などの条件を見直すといった配慮が必要です。
切粉の特徴の1つが色の変化です。実際は変色ではなく「光の反射」でさまざまな色に見えています。旋盤加工はワークが回転している状態に刃物を押し当てて削る加工です。接触面では圧力と摩擦で熱が発生します。
結果、金属に酸化被膜という薄い膜が生まれるのです。その膜が光の乱反射と温度の高さで厚みが変化して多種多様な色に見えます。この切粉の色で何度の熱が発生したか調べることも可能です。たとえば、薄黄色なら300度、褐色なら350度、紫は400度、すみれ色は450度、濃青色は530度、淡青色は600度という具合です。
切りくずの形状でわかることも多いです。流れ形は加工精度がよいとされている形状です。切削条件のバランス、刃物の状態が良好、切削の抵抗や変動も少なく安定しています。
せん断形は切削時に変動が起きた状態で発生する形です。流れ系と比較すると、精度が落ちています。切削条件、刃物に問題がある、ワークの材質がもろいケースで起きる形状です。
き裂形は加工精度がよくないとされています。材質がもろいために、切りくずが流れ系のようなスムーズなつながりがない形状です。削り切る前にき裂が起きている状態ですから加工精度はよくないと判断されます。
むしれ系は切りくずの排出に問題があり、切削に干渉が起きている状態で削ると発生する形です。切削面の裂けが特徴的で、加工精度はよくないと判断されます。粘り気のある材質で発生しやすいです。
チップブレーカー付き工具だと、切粉をカール、分断できます。結果、工具やワークの巻き付き予防が期待できるのです。チップブレーカー性能は切込み量やワーク材質で変動します。切削条件に対し適切に選びましょう。
切削パスを使って切削経路の変更をすることにより、切粉の発生をコントロール可能です。切粉の分断、断熱加工や、NCプログラムの遅延も対策として期待できます。工作機械の中には振動を使った切削機能で、切粉の分断ができるタイプもあります。
高圧クーラントを噴出することで切粉を洗い流せます。クーラントの供給方式もさまざまですが、深穴のような穴加工だと、ドリル先端からクーラントを噴出するセンタースルー方式もいいでしょう。
主軸の回転数や送り速度の調整で、流れ型の切粉にできます。この方法で難しい場合、切込み量や切削パスの見直し、チップブレーカーが機能するパスに調整する方法もあります。調整が困難であればチップ選定をして、また主軸の回転数や送り速度を調整して流れ型を目指す、といった方法を繰り返すと良いでしょう。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。