工作機械の修理・オーバーホールの依頼先としては、メーカーや機械商社、中古機を扱う業者、オーバーホール会社などがあげられます。それぞれの業者の違いや選び方についてまとめました。
購入した工作機械のメーカーやNC・サーボの制御機器メーカーが該当します。工作機械や制御機器の構造に詳しい専門家に依頼できる安心感のほかに、補償が充実しているところが多いというメリットもあり。一方で、メーカーのサービス体制を維持するために、修理費用が高額に設定されていることが多いのが難点です。
また、対応するエンジニアの指定が基本的にできないため、経験の少ないエンジニアが派遣されることもあります。古い工作機械だと修理に必要な部品の在庫がすでになく、修理を断られてしまうこともあるようです。
工作機械を扱っている商社にエンジニアが在籍していることもあるほか、商社経由で各メーカーに修理を依頼することもできます。
ほかの取引もしていて馴染みのある商社なら、安心してやり取りすることが可能。また、商社経由でメーカーに依頼する際に、商社側からの後押しでメーカーの修理対応が早くなることもあります。一方で商社は修理を専門としているわけではないため、エンジニアがいたとしても少数で、どこまで対応してもらえるか分かりません。
すぐに対応できないことも多いので、対応面で不満を感じてしまうこともあるでしょう。
中古の工作機械を扱っている会社によっては、専属のエンジニアを抱えており、修理に対応しているところもあります。特に中古機を購入した会社であれば丁寧に対応してもらえることが多く、修理費用がメーカーに比べて割安なのも嬉しいポイントです。ただし、エンジニアがいたとしても据付工事や買取機のオーバーホールなども請け負っており、すぐには対応してもらえないこともあります。
オーバーホールを行っている会社に依頼するメリットは、技術力の高さ。修理の摺動面や主軸の振れを直すといったオーバーホールが必要になった場合も、そのまま依頼することが可能です。メーカーに依頼するよりも修理費用が比較的安く、遠方まで出張対応してくれるところもあります。
ただし、あくまでも専門はオーバーホールなので、オーバーホールする箇所以外の修理には対応してもらえないことも。出張対応してもらう場合も、遠方だと出張費で割高になってしまうことがあるので注意しましょう。
工作機械の修理を専門としている業者で、日々の業務で技術やノウハウを培っているのが強み。地域密着型で丁寧に対応してくれるところも多く、修理費用もメーカーに比べて安く抑えられるメリットがあります。
一方で工作機械の修理会社は自社のホームページを持っていないことも多いので、実績や料金体系などの情報が少ないというデメリットも。エンジニアによって得意な分野も変わってくるので、少ない情報のなかで適した業者を探すのに苦戦しそうです。また、個人経営が多いため、メーカーほどの手厚い補償は期待できないでしょう。
大手メーカーをはじめとする企業から依頼を受けて、機械保全業務を請け負っている会社です。機械保全に関する高い技術やノウハウを持ったエンジニアに保全業務を任せられるのがポイント。また、コストと時間がかかる機械保全を委託することにより、本来の業務に集中できるメリットがあります。
ただし、機械保全の代行は大手メーカーを対象としたサービスで、委託料が非常に高いのが難点です。
依頼する業者を選ぶ際は、「修理・オーバーホールの実績が豊富」「質問対応が的確」「要望に親身に対応してくれる」かどうかを確認しましょう。また、最初から高額な修理を依頼せず、まずは簡単な修理を依頼してみて、エンジニアの実力や対応を確認するという方法もおすすめです。
工作機械のオーバーホール・
レトロフィットなら!
技術と頭脳で選ぶおすすめ会社
工作機械を買い替えずに修理やオーバーホールを行うメリットとして、古い機械の剛性の高さがあります。古い機械は品質の良い鋳物が使われていることが多く、特に評価されているのがベッド部分の剛性の高さです。また、使い慣れた機械が良いという意見も根強く、今ではほとんど新品生産されていない汎用機への需要も未だに大きい傾向にあります。
職人からも経験により身につけた感覚で作業できる古い機械のほうが効率が良いという声もあり、使い慣れた機械で製造を続けられるのも修理やオーバーホールを行うメリットと言えるでしょう。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。