工場機械の加工時間のことを「サイクルタイム」といいます。サイクルタイム短縮のためのポイントや課題について解説していきます。
サイクルタイムと言われるのは、ワーク1個あたりの加工時間のことを言います。工場機械が自動起動をスタートしてから、プログラムが終了するまでの時間を全てまとめて「サイクルタイム」としています。
ただしサイクルタイムの中には、切削などの作業を行っている時間に加えて、機械が動作するための準備や待機時間である「アイドルタイム」が存在しています。実際に切削などをしている時間を変更するよりも、アイドルタイムの改善でサイクルタイムの短縮ができる場合もあります。
例えば機械が実際に切削を行っている時間を節約しようとすると、切削条件の変更などによって品質に変化が生じてしまうリスクがあります。それよりは品質に直接影響しないアイドルタイムの方を改善し、短縮することでサイクルタイム全体の短縮に繋げる方が効率的です。
アイドルタイムは材料待ちや工具待ち、機械の起動準備の時間だけではありません。突然発生した停電や故障といった偶発的なものや、閑散期・生産調整といった計画的なものもアイドルタイムに含まれます。アイドルタイムの削減はサイクルタイムの短縮だけでなく、投資効率の改善や設備の稼働率向上にも繋がります。
アイドルタイムを短縮する上で最も大切なのは、サイクルタイムの一連の流れや動作を細かく把握することです。
こうした動作の一つ一つを丁寧に把握していくことによって、短縮できるポイントが見つかっていきます。例えば複数の動作を同時に行える箇所があれば、それが可能な設備・条件を設定することでアイドルタイムの短縮に繋がります。
決まった動作の中に無駄な動きがあると判断できれば、それを省いてしまうことでもアイドルタイムの短縮が可能です。動作の流れや細部を確認するには、現場の機械や設備を動画で撮影して繰り返し観察すると分かりやすいでしょう。
アイドルタイムを含めて一連の動作を確認した上で、短縮・削減できるアイドルタイム中の動作を探していきましょう。例えば動作の停止命令後に次のプログラムへと移る間に、無駄な待機時間が発生しているというケースもあります。この待ち時間を利用して別の動作の開始命令を送ることによって、アイドルタイムを短縮できるでしょう。
また、動作の停止・開始確認といった確認動作の時間も省いてしまうことで、アイドルタイムを一気に短くすることができます。0.1秒単位の短縮でも、1サイクルで見れば大幅なアイドルタイムの短縮に繋がり、生産製を大きく向上させられるでしょう。
アイドルタイムを削減する上で、職場全体で「生産性向上」の意識を高く持つことも重要です。例えば投入された人件費に対して、あまり生産個数が伸びない場合は生産性が低い状態といえるでしょう。そのため生産性を数値として分かりやすく表現し、生産性に応じて報酬を上げるなどの施策でスタッフ全員に生産性向上についての意識を促すことで、アイドルタイムを減らすこともできます。
また、機械だけではなく仕事全体で必要がない作業や時間がないかについても注目しましょう。例えば製造業の場合、運搬距離や検査工程などを見なおすことでアイドルタイムの削減に繋がります。新人の教育研修について見直したり、待機時間中に清掃や設備点検などを行って残業削減に努めたりなどの施策も、生産性を高める方法の一つです。待機時間を活かして点検を繰り返せば、予期せぬトラブルのリスクを下げることにも繋がるでしょう。
GoogleやYahoo!といった複数の検索エンジンで工作機械のオーバーホール(OH)やレトロフィット(RF)を手掛ける会社を調査。2022年1月4日調査日時点で上位に表示された19社を、さらに調査していきました。
おそらく皆さんが一度は聞いたことがある会社ばかりかと思います。
「自社内で電装部分が一気通貫で担当できる」ことを大前提に、「技術者のスキルが高い」ことを証明する「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」という3つの項目を満たす会社を追加調査したところ、これからご紹介する「三宝精機工業」「スギヤマメカレトロ」が該当しました。
技術者の腕なら
こんなOH・RFを依頼するのがおすすめ
三宝精機工業は、【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」2点を満たし、【3】機械技術者が27名在籍、大型機械も自社内で直せる規模。
「技術力」としたのは、技術者の研修や技術の継承に関する記述の量が、調査した19社中一番多く、また廃業した昌運工作所のアフターサービスを日本国内外で唯一正式移管されているということが理由です。
スギヤマメカレトロ【1】電気技術者が自社内におり、【2】「技術者の研修や技術継承に関する記述がある」「設計図がなくても対応可能」「専用機の設計製作をやっている」3点を満たし、【3】社員数110名を擁し、本社・拠点工場とは別に、金型工場・大型機工場を、海外にも強力会社を持ちます。
調査した他の18社にはない、専用機の設計・製作の事例も多いため、「頭脳」としています。